「人気だから選んだ」では失敗する。IPコラボで成果を出すために本当に必要なこと
Skip to content
All posts

IPコラボとは?「人気だから選んだ」では失敗する。IPコラボで成果を出すために本当に必要なこと

はじめに:新規客を呼ぶ手段が見つからない

飲食店や小売店など、店舗ビジネスを展開する企業にとって、新しい顧客との接点づくりは年々難しくなっています。

チラシやクーポンは一定の効果があるものの、継続的な値引きは利益を圧迫します。SNS広告やWEB広告を活用しても、認知は獲得できるものの来店や購買まで結びつかないケースも少なくありません。消費者が接触する情報量は増え続け、商品やサービスが良いだけでは選ばれにくくなっています。「なぜ今、その店に行くのか」という理由づくりが、かつてないほど重要になっています。

こうした課題の中で注目されている施策のひとつがIPコラボです。人気キャラクターやアニメ、ゲーム、映画などと連携し、限定商品やノベルティ、キャンペーンを展開する手法は、多くの企業が採用しています。しかし実際には成果に大きな差があります。SNSで話題になり大きな集客につながるケースがある一方で、「思ったほど反応がなかった」「想定した顧客が来店しなかった」「費用に見合わなかった」というケースも少なくありません。

その違いを生み出しているのは、IPそのものの人気ではありません。重要なのは、「誰に向けて、なぜそのIPを選ぶのか」を説明できるかどうかです。

本記事では、IPコラボで成果を出すための考え方と、見落とされがちなIP選定のポイントについて解説します。

人気だから失敗の始まり (1)

目次
  1. そもそもIPコラボとは?
  2. IPコラボが失敗する3つの理由
  3. 成功するIPコラボに共通する考え方
  4. 人気ランキングだけでは見えないIPの価値
  5. 「発掘型IP」という考え方
  6. 季節・タイミングとの組み合わせが成果を高める
  7. evoliaのアプローチ:ターゲット起点のIP評価設計
  8. まとめ:IPコラボの成否はIP選びの前に決まっている

 

 

 

■ 1.  そもそもIPコラボとは? 

IPとは (1)

IPとは「Intellectual Property(知的財産)」の略称です。マーケティングの分野では、アニメ・ゲーム・キャラクター・映画・絵本・漫画などのコンテンツやブランドを指すことが一般的です。

IPコラボとは、企業がこれらのIPを保有する権利者と契約を結び、商品や販促活動に活用する取り組みを指します。限定ノベルティの配布、コラボ商品の販売、店頭POPや装飾、SNSキャンペーンとの連動など、その形態は多岐にわたります。

IPが持つ認知度やファン層を活用することで、企業単独では接点を持ちにくい顧客層へアプローチできることが大きな特徴です。好きなキャラクターや作品との接点を提供することで、普段来店しない人にも「行ってみようかな」という来店理由を作ることができます。さらに、限定性や話題性によってSNSでの自然な拡散も期待できます。そのため近年は飲食店、小売店、商業施設などを中心にIPコラボの活用が広がっています。

ただし、IPコラボはあくまで集客・販促の手段です。どのIPを選ぶか、誰に向けてどんな施策を設計するかによって、その効果は大きく変わります。

リアル店舗を持つあらゆる業態 (1)

■ 2.  IPコラボが失敗する3つの理由 

理由1:認知度だけで選んでしまう

IP選定で最も多い失敗が、「有名だから」という理由だけで選ぶことです。確かに認知度の高いIPは話題になりやすく、多くの人の目に触れます。しかし、認知されていることと、好きであることは別の話です。

認知率が高くても「知っているけれど興味はない」という状態であれば、来店や購買にはつながりません。人気ランキングや話題性だけを見てIPを選ぶと、この落とし穴にはまりやすくなります。

理由2:ターゲットとファン層が一致していない

企業が来店してほしい顧客層と、IPのコアなファン層が一致していないケースも多く見られます。ファミリー層を集客したいのか、Z世代女性に来店してほしいのか、子育て世帯を獲得したいのか——目的によって選ぶべきIPは大きく変わります。同じ「女性に人気のあるIP」であっても、支持している年代やライフスタイルは大きく異なります。ここを曖昧にしたまま選定すると、期待した集客効果は得られません。

理由3:IPの特性を施策に活かせていない

IPにはそれぞれ強みがあります。SNSで話題になりやすいIP、グッズとしての所有欲が高まりやすいIP、食べ物との相性が良く飲食コラボに自然な文脈を作れるIP——それぞれ特性が異なります。しかし実際には、ノベルティを配るだけ、POPを置くだけで終わってしまうケースも少なくありません。IPの魅力と施策設計が噛み合っていなければ、本来のポテンシャルは発揮されません。

なんとなくで終わるIPコラボの3つのパターン (1)

 

  

■ 3.  成功するIPコラボに共通する考え方 

成果を出している企業は、人気ランキングだけでIPを選んでいません。共通しているのは、「誰に来店してほしいのか」を先に決めていることです。

ターゲットが明確になると、その層がどんな趣味を持ち、どんな作品を好み、どのような情報に反応するかが見えてきます。その上で、ターゲットとの相性が高いIPを選定する——「人気だから選ぶ」のではなく、「ターゲットに刺さるから選ぶ」という発想です。

この順序の違いが、施策の精度と成果に大きな差をもたらします。

成功するIPコラボの設計図 (1)

 

■ 4.  人気ランキングだけでは見えないIPの価値 

IP選定において重要なのは、認知率だけではありません。同じ認知率でも成果が大きく異なることがあります。

注目すべきは「愛好率」です。認知率が「そのIPを知っているかどうか」を示すのに対して、愛好率は「知っている人の中で実際に好きな人の割合」を示します。つまり、施策に対して積極的に反応し、行動を起こす可能性がある層の大きさです。

たとえば、あるターゲット層において次のような状況があったとします。

IP(例) 認知率 愛好率 活用評価
IP-A 高い 低い
IP-B やや高い 高い
IP-C 低い 非常に高い

※数値はイメージです。

IP-Aは多くの人が知っていますが、好きな人は少ないかもしれません。一方でIP-Bは認知率がやや低くても、熱量の高いファンを多く抱えている可能性があります。IP-Cのように認知率は高くないものの特定層から強く支持されているケースもあります。

重要なのは、「誰が知っていて、誰が好きなのか」という視点です。認知率と愛好率を分けて見ることで、本当にターゲットに刺さるIPが見えてきます。

 

 

■ 5.  「発掘型IP」という考え方 

IPコラボを検討すると、多くの企業は有名IPに目を向けます。もちろん有名IPには大きな集客力があります。しかしその一方で、ライセンス費用・監修対応・承認フロー・スケジュール調整など、実務上の負担も大きくなります。

そこで注目されているのが「発掘型IP」という考え方です。発掘型IPとは、まだ一般的な認知度は高くないものの、特定の層から強い支持を受けているIPを指します。

こうしたIPはファンの熱量が高く、コラボ施策に対して「行かなきゃ」「手に入れなきゃ」という能動的な行動を起こしやすい傾向があります。また、ファン同士のコミュニティで「このIPがあの店とコラボしてる」という情報が自然に広がるため、広告費をかけずにリーチが拡大するケースもあります。コスト面でも取り組みやすく、スピーディーな実行が可能です。

店舗販促では、必ずしも全国区の知名度が必要なわけではありません。「有名IP一択」でも「コスト優先の無名IP」でもなく、自社のターゲットセグメントに対して認知と愛好のバランスが最適なIPを選ぶ——このバランスを見極める視点が、IPコラボの成否を分けます。

発掘型IPの圧倒的ポテンシャル

 

■ 6.  季節・タイミングとの組み合わせが成果を高める  

IPコラボは単独で考えるものではありません。実施時期との相性も成果に直結します。

飲食・小売におけるIPコラボは、来店動機が弱い時期に実施しても効果が出にくいものです。逆に、もともと外食・購買意欲が高まる季節に組み合わせることで、IPコラボが「背中を押す理由」になりやすくなります。たとえば秋から年末にかけては友人同士の外食機会が増えやすく、ハロウィン前後のタイミングはイベント感が演出しやすいため、IPのかわいさや季節感と組み合わせた施策が機能しやすくなります。

また、新商品発売・周年企画・店舗リニューアルなどの販促テーマと組み合わせることで、さらに効果を高めることもできます。「何月に・誰に・何をきっかけに来店させるか」というカレンダー設計とIP選定をセットで考えることが、施策全体の精度を高めます。

掛け算の法則 (1)

 

 

■ 7. 「なぜそのIPか」を説明できる提案が社内承認を通す 

IPコラボには費用が発生します。ライセンス料だけでなく、ノベルティ制作・POP制作・告知物・キャンペーン運営など、さまざまなコストがかかります。そのため社内では「なぜそのIPなのか」という説明が求められます。

ここで「人気だから」だけでは説得力が弱くなります。ターゲット層におけるIPの認知・愛好の状況をデータで説明できれば、意思決定の根拠として機能します。「このIPは、私たちのターゲット層において高い愛好率を持っており、競合IPと比較してもこのセグメントへの適合性は上位に位置します」という説明ができれば、感覚提案との差は歴然です。

データに基づいたIP選定は、施策の精度を上げるだけでなく、社内合意形成のコストを下げるという実務上の価値もあります。感覚ではなく根拠を持った提案が求められる時代になっています。

 

 

  

■ 8.evoliaのアプローチ:ターゲット起点のIP評価設計 

Evoliaでは、IPの人気そのものではなく、クライアントのターゲット顧客との相性に着目したIP評価の設計を行っています。

一般的なIPコラボ提案では「このIPは人気です」という情報提供に留まることが多いものです。しかしEvoliaでは、クライアントが来店・購買してほしい顧客像——たとえば「30〜49歳の子育て中の女性」や「Z世代女性」など——に対して、各IPがどのような認知・愛好の傾向を持つかを整理した上で、最適な候補を提案します。

具体的には、ターゲットセグメントごとに複数のIPを認知・愛好の両軸で評価・比較し、施策の目的(新規客層の獲得なのか、既存客へのロイヤルティ向上なのか)に応じた絞り込みを行います。さらに、費用感・承認負荷・SNS拡散適性・ノベルティ施策との相性といった実務面の観点も合わせて整理し、クライアントが実際に動ける提案として届けることを重視しています。

「なぜそのIPか」を説明できる根拠を、データと評価設計のレイヤーから提供できることが、Evoliaのアプローチの特徴です。

ターゲット起点で最適解を導く (1)

 

 

■ 9. まとめ:IPコラボの成否はIP選びの前に決まっている 

IPコラボで成果を出すために必要なことは、シンプルに言えばひとつです。「誰に」「何が」「なぜ刺さるか」を、感覚ではなく根拠を持って設計すること。

まずターゲットを定め、そのターゲットに支持されるIPを探す。認知率だけでなく愛好率やターゲットとの適合性を見る。IPの強みと施策内容を一致させる。実施時期や販促テーマも含めてセットで設計する。こうした積み重ねが、成果の差につながります。

「なんとなくやってみた」では、もはや市場に埋もれてしまいます。ターゲット起点の設計があってはじめて、IPコラボは確かな成果につながります。

誰に何がなぜ刺さるか (1)



IPコラボの提案・設計についてお気軽にご相談ください。

「どのIPが自社のターゲットに合うのかわからない」「人気IPを使えば成果が出るのか判断できない」「社内提案の根拠となるデータが欲しい」——このような課題をお持ちの場合は、ぜひご相談ください。Evoliaでは、ターゲット分析・IP評価データを活用し、貴社の目的や顧客層に合わせたIP選定から施策設計までご支援しています。まずはお問い合わせフォームよりご連絡ください。

 

 

問い合わせボタン