Skip to content
All posts

年度末に向けて予算を有効活用!新たな顧客層にアプローチ~ポッドキャスト業界最新動向

様々なマーケティング手法がある中で、ポッドキャスト広告は近年特に注目を集めています。本連載では、ポッドキャスト広告のメリットや活用事例を解説してきましたが、今回は『年度末に向けて予算を有効活用したい』『新しいマーケティング施策を試したい』とお考えの企業様に向けて、より踏み込んだ情報をお届けします。

資料提供:ロボットスタート株式会社 様 https://robotstart.co.jp/

ポッドキャスト連載5回目 
目次
  1. ポッドキャスト業界動向レポート
  2. なぜ今、ポッドキャスト広告が注目されているのか?
  3. ポッドキャスト広告のメリット
  4. 自社でポッドキャストを始めるメリット
  5. 自社ポッドキャストを成功させるためのポイント
  6. おわりに

ポッドキャスト業界動向レポート

ポッドキャストとAIの最新動向

2023年、米国ではAI主導のポッドキャスト番組が1年間で5倍に増加し、月間4,500万人にリーチ。AIが生み出した価値は30億ドル(約4,500億円)と評価されています。

制作領域ではElevenLabがPDFや記事からポッドキャストを生成するAIを発表。OpenAIのChatGPTやGoogleのNotebookLMもAIを活用したインタラクティブな対話機能を提供し、専門的なポッドキャスト制作を可能にしています。これにより、企業は過去のブログ記事やニュース記事を活用し、音声コンテンツを効率的に制作できるようになりました。

また、ポッドキャスト市場では、AIを活用した音声合成技術の進化も注目されています。音声合成を用いることで、ナレーションを外部に依頼することなく、自社のブランドに最適化された音声を簡単に作成できます。

一方で、AIによる大量生産が品質低下を招く懸念も指摘されています。AIを活用した音声コンテンツの増加により、リスナーの関心を引き続けるためには、独自性のあるストーリーやブランド価値を反映したコンテンツ制作が重要になります。

音声技術の進化と課題

音声合成・ボイスチェンジ技術は日々進化し、スマートフォン単体でリアルタイム音声変換が可能になっています。YouTube Musicは9言語に対応した自動吹き替え機能を導入し、Meta社は感情を反映した音声生成技術を開発中です。

特に、AI音声領域では以下のような技術革新が進んでいます。

音声合成技術の向上:より自然なイントネーションで、感情を込めた音声生成が可能に
ボイスチェンジ:企業のブランドイメージに合った音声キャラクターの作成が容易に
多言語対応の自動吹き替え:1つのコンテンツを多言語展開でき、グローバルなリーチが可能

これにより、企業は音声コンテンツを日本国内だけでなく、海外市場にも向けて発信しやすくなります。しかし、AI音声合成を悪用した詐欺やなりすましの増加も課題として浮上しており、適切なコンテンツ管理が求められています。

ポッドキャスト広告の最新活用事例

Amazonは製品情報から音声広告を自動生成するツール「オーディオジェネレーター」を発表。AIを活用し、企業の既存の広告クリエイティブを最適化しながら、より魅力的な音声広告を生成することが可能になっています。

さらに、AdsWizzとNumberEightはRSSフィードを活用した精度の高いターゲティング広告を実現。これにより、ポッドキャストのコンテンツ内容に適した広告をAIが自動的に配信し、リスナーの関心に沿った広告体験を提供できるようになりました。

Apple Podcastsは書き起こし機能の導入により検索性を向上させ、AIとの融合を進める動きを見せています。ただし、AI音楽生成と自動アクセスによる不正行為が問題視され、逮捕事例も報告されているため、倫理的な活用が求められています。

広告効果と今後の展望

KANTAR社の調査では、41%のマーケティング担当者が2025年にポッドキャスト広告への支出増を予定しており、消費者はポッドキャスト広告の信頼性や質を評価し、高額商品や中規模ブランドで高い広告効果が確認されています。日本でのブランドリフト調査でも、認知度58.2%増、興味関心44.5%増、購入意向32.7%増、購入率18.8%増と高い効果が得られました。今後、AI利用の加速でポッドキャスト業界はさらなる成長が期待されます。

AI技術の進化はポッドキャスト制作と広告に革新をもたらしていますが、品質や不正利用への課題も存在します。2025年はAI活用と質の維持が重要なテーマとなり、広告効果の最大化にはターゲティング精度の向上やクリエイティブな工夫が不可欠です。

マーケティング担当者に対する媒体別支出調査https://www.kantar.com/north-america/inspiration/advertising-media/podcasts-are-packing-a-punch

なぜ今、ポッドキャスト広告が注目されているのか?

ポッドキャスト広告が注目される背景には、高い広告効果や明確なターゲティングのしやすさ、費用対効果の高さなどが挙げられます。さらに、市場の成長性や多様なリスナー層の拡大も、企業がポッドキャスト広告を活用する要因となっています。これらのポイントを整理します。

・高い広告効果:
ポッドキャストは、リスナーがリラックスした状態で聴取していることが多く、広告メッセージが受け入れられやすい傾向にあります。調査によると、ポッドキャスト広告はディスプレイ広告と比較して、ブランド認知率が4.4倍、ブランド想起率は70%という結果が出ています。これは、ポッドキャストリスナーが番組の内容に集中し、パーソナリティへの共感や信頼感を持っていることなどが要因として考えられます。
 
・明確なターゲティング:

ポッドキャストは、番組のジャンルやテーマによってリスナー層が細分化されているため、特定のターゲット層へピンポイントに広告を配信することができます。年齢や性別、興味関心、ライフスタイルなど、様々な属性でターゲティングが可能です。例えば、ビジネス系のポッドキャストには経営者やビジネスパーソンが多く、美容系のポッドキャストには美容に関心の高いリスナーが多いといったように、ターゲットを絞り込んだ広告配信が可能です。

・費用対効果の高さ:
テレビや新聞などの従来型の広告媒体と比較して、ポッドキャスト広告は費用対効果が高い傾向にあります。少額の予算でも、効率的に広告配信を行うことができます。
 
・市場の成長性:
ポッドキャスト広告市場は、世界的に急速な成長を遂げています。グローバルなポッドキャスト広告市場は、2029年まで14.50%のCAGR(年平均成長率)で成長すると予測されており、2032年には約430億ドル規模に達すると見込まれています。
 
多様なリスナー層:
米国では1億人以上のリスナーを抱えており、日本でも若年層を中心に利用者が増加しています。特に、日本では学生と企業の意思決定者の割合が高いという興味深いデータもあります。

 

ポッドキャスト広告のメリット

スポンサーの視点から見たポッドキャスト広告のメリットを具体的に見ていきましょう。 - visual selection
 
ポッドキャスト広告は、特定のターゲット層に効果的にリーチできる点が特徴です。さらに、リスナーとの親密な関係性を活かした広告手法により、ブランドの認知度向上やエンゲージメント強化にもつながります。スポンサーの視点から見た具体的なメリットを整理します。
 
・ターゲット層へのリーチ:
特定の趣味や関心を持つリスナーに絞って広告を配信できるため、効率的にターゲット層へリーチできます。3 例えば、美容に関するポッドキャストに化粧品広告を出稿することで、美容に関心の高い層へダイレクトに訴求できます。ポッドキャスト広告は、ニッチな市場へのリーチにも効果的です。特定の趣味や関心を持つリスナー層に焦点を当てた広告展開を行うことで、より高いコンバージョン率とROI(投資対効果)が期待できます。
 
・ブランドイメージの向上:
信頼性の高いポッドキャスト番組で広告を配信することで、ブランドイメージの向上に繋がります。1 パーソナリティが商品やサービスを丁寧に紹介することで、リスナーの共感を呼び、好印象を与えられます。
ポッドキャスト広告には、大きく分けて直接的アプローチと間接的アプローチがあります。7 直接的アプローチは、番組内で商品やサービスの詳細を具体的に紹介し、リスナーの購買意欲を高める方法です。間接的アプローチは、ストーリーやパーソナリティの体験談などを交えながら、ブランドの世界観や価値観を伝えることで、リスナーの共感を得る方法です。
 
・費用対効果の高さ:
他の広告媒体と比較して、費用対効果が高い傾向にあります。1 限られた予算で、大きな効果を得られる可能性があります。2023年のポッドキャスト広告の平均CPM(1,000回表示あたりの費用)は、60秒の広告スポットで22.94ドルでした。8 これは、他のデジタル広告と比較しても競争力のある価格帯です。
 
・親近感の醸成:
パーソナリティの声を通して広告メッセージを届けることで、リスナーとの親近感を育むことができます。1 これは、他の広告媒体では得難いメリットです。
ポッドキャストは、パーソナリティとリスナーとの間に、まるで友人や知人同士のような親密な関係性が築かれることがあります。この信頼関係を活かすことで、広告メッセージがより効果的にリスナーに届きます。
 
・エンゲージメントの向上:
ポッドキャストは、リスナーが能動的に聴取するメディアであるため、広告への関与度が高く、エンゲージメントの向上が期待できます。
 
 
ポッドキャスト広告の事例
企業名 内容 Target Audience 結果
新興クラウドPOSレジ企業 特定の業界層を対象としたターゲティング広告を展開 飲食店経営者、小売店オーナー ブランド認知と導入率向上
グローバルスピーカーメーカー ポッドキャスト広告を通じてブランドイメージを強化 音楽愛好家、オーディオマニア グローバル市場での認知拡大
TBSラジオ「OVER THE SUN」 PCメーカーの商品コンセプトを体現するオリジナルコーナーを実施 女性 プレゼント応募300件以上、クーポン利用販売計画達成
TBSラジオ「真空ジェシカのラジオ父ちゃん」 アプリ開発会社とタイアップし、アプリ内でキャラクターを作成 若者 アプリの月間インストール数125%増

※引用:【ウェビナーレポート】TBSラジオの成功事例で学ぶ音声メディア『ポッドキャスト』のマーケティング活用術 https://otonal.co.jp/audio-marketing-insights/31987

 
 

自社でポッドキャストを始めるメリット

ポッドキャスト広告を通じて既存のポッドキャストを活用することは、新たな顧客層へのリーチに有効な手段となります。一方で、自社でポッドキャストを始めることも、強力なマーケティング戦略となりえます。
自社でポッドキャストを始めることには、以下のようなメリットがあります。
 
・顧客とのエンゲージメント強化:自社のポッドキャストを配信することで、顧客との接点を増やし、エンゲージメントを強化できます。商品やサービスに関する情報を発信するだけでなく、企業理念やビジョンを伝えることで、顧客との共感を深められます。
例えば、新商品の開発秘話や、社員インタビュー、顧客の声などを紹介することで、企業の人間味や熱意を伝えることができます。
 
・新規顧客獲得:質の高いコンテンツを配信することで、新たな顧客を獲得できます。SEO対策を施すことで、ポッドキャストを通じて自社のWebサイトへの流入を増やすことも可能です。
ポッドキャストの説明欄にWebサイトへのリンクを掲載したり、音声内でWebサイトへのアクセスを促したりすることで、リスナーをWebサイトへ誘導することができます。
 
・専門性の確立:特定の分野に関する情報を発信することで、その分野における専門性をアピールできます。業界のオピニオンリーダーとして認知されることで、顧客からの信頼獲得に繋がります。
例えば、専門家や有識者をゲストに招いたインタビューや、業界の最新動向に関する解説などを配信することで、専門性をアピールすることができます。
 
・採用活動への活用:自社の魅力や社風を伝えるポッドキャストを配信することで、優秀な人材を獲得できます。求職者へ直接メッセージを届けることで、企業理解を促進し、応募意欲を高められます。
ポッドキャストを通じて、社内の雰囲気や働き方、社員の生の声を伝えることで、求職者にとって魅力的な職場環境をアピールすることができます。
 

 

自社ポッドキャストを成功させるためのポイント

自社ポッドキャストを成功させるため成長戦略-1
 
自社でポッドキャストを始める際には、コンテンツの質や配信頻度、プロモーション、効果測定といったポイントを押さえることが重要です。リスナーにとって価値のあるコンテンツを提供し、継続的に配信することで、より多くの人に届けることができます。さらに、適切なプロモーションやデータ分析を行うことで、番組の成長を促進できます。
 
・コンテンツの質:
リスナーにとって有益で、興味深いコンテンツを制作することが重要です。専門家へのインタビューや、社内での取り組み紹介など、オリジナリティのあるコンテンツを配信しましょう。リスナーのニーズを捉え、共感を得られるようなコンテンツ作りを心がけましょう。

・配信頻度:
定期的にコンテンツを配信することで、リスナーの期待に応え、継続的な聴取を促します。1 週1回、月2回など、無理のない範囲で配信スケジュールを設定しましょう。
配信頻度を明確にすることで、リスナーは次回の配信を予測しやすくなり、聴取習慣がつきやすくなります。
 
・プロモーション:
SNSやWebサイトでポッドキャストの告知を行い、積極的にリスナーを獲得しましょう。他のポッドキャスト番組とのコラボレーションも有効です。
メールマガジンでポッドキャストの最新情報を配信したり、SNSで告知を行ったりすることで、多くのリスナーにリーチすることができます。また、プレゼントキャンペーンを実施することで、新規リスナーの獲得を促進することもできます。
 
・効果測定:
再生回数や視聴者数などのデータを分析し、コンテンツの改善に活かしましょう。11 リスナーからのフィードバックも参考に、より魅力的な番組作りを目指しましょう。
分析ツールなどを活用して、どのコンテンツが人気なのか、どのようなリスナーが聴いているのかを把握することで、今後のコンテンツ制作に役立てることができます。
 

自社ポッドキャストの成功事例

企業名 番組名 内容 Key Results
トヨタ トヨタイムズ CMと連動したポッドキャスト ブランド認知度向上
資生堂 資生堂公式ポッドキャスト 美容に関する情報発信 顧客エンゲージメント強化
マクドナルド The Sauce 限定ソースの販売に関するエピソード ブランドストーリーの浸透
株式会社10X 10X.fm 将来的な採用候補者に向けた情報発信 採用候補者へのリーチ
Ubie株式会社 ゆびラジ/devchat.fm 医療従事者/エンジニアに向けた情報発信 顧客との関係構築、採用活動の強化
 
参考:自社ポッドキャストの制作ポイント
 
企画・構成:
番組のテーマ、ターゲット、配信頻度などを決定します。誰に何を伝えたいのかを明確にし、番組のコンセプトを固めましょう。
 
収録:
マイク等の機材を使って音声を録音します。録音環境を整え、ノイズを最小限に抑えることが重要です。
 
編集:
録音した音声を編集ソフトで加工します。ノイズ除去やBGMの挿入などを行います。
必要に応じて、効果音やジングルなどを加えることで、より聴きやすい番組に仕上げることができます。
 
配信:
Apple Podcast、Spotifyなどのプラットフォームに音声を配信します。
各プラットフォームの配信方法に従って、音声をアップロードしましょう。

 

おわり

ポッドキャスト広告は、高い広告効果と費用対効果を期待できる、注目のマーケティング手法です。自社でポッドキャストを始めることも、顧客とのエンゲージメント強化や新規顧客獲得に有効です。
今期の余剰予算を活用して、ポッドキャスト広告または自社ポッドキャストにチャレンジすることで、新たな顧客セグメントへのリーチ、ブランドロイヤルティの構築、そしてビジネスの成長を促進できる可能性があります。ぜひ、この機会にポッドキャストの可能性を探ってみませんか?

弊社では、ラジオ広告をはじめとする音声メディアに精通した専門の担当者が在籍しており、これまでの豊富な経験を基にしたご提案が可能です。具体的なプランがなくても、まずは情報収集や相談レベルでのご連絡でも構いません。ポッドキャスト広告やラジオ広告など音声メディアに興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。 

podcast-times04
 

 

 

問い合わせボタン