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目的別に選ぶ!最新DSPの特徴と選定ポイント徹底解説

作成者: 大住 浩章|2025/08/18 0:30:00

広告運用における効果最大化を図るうえで欠かせない存在となった「DSP(デマンドサイドプラットフォーム)」。近年、このDSP市場は劇的に進化しており、従来の単なる広告配信ツールとは一線を画す、高機能・高精度なプラットフォームが次々と登場しています。

たとえば、

  • 今このエリアにいる人に広告を出せる「位置情報特化型」

  • CTVやSNS動画と連携できる「動画特化型」

  • 購買履歴やLTVに基づき訴求できる「AI最適化型」

  • Cookieレス時代に対応した「プライバシー重視型」

など、目的や業種に応じて選ぶべきDSPはまったく異なります。

こうした背景には、データ活用の高度化、ポストCookie時代への対応、業界・商材ごとのニーズの細分化といった変化があり、今や「とりあえず有名なDSPを使う」では成果が出にくい時代です。

本記事では、目的別に最適なDSPをカテゴリごとに解説し、活用シーンや成功事例も交えてわかりやすくご紹介します。DSP選定に迷っている方、今後の施策を見直したい方はぜひ参考にしてください。

目次
  1. 位置情報に強いDSP:実店舗集客に効果絶大!
  2. 動画・リッチメディア特化型:ブランド認知を高めたいなら!
  3. AIとデータ活用に特化:パーソナライズの極み
  4. プライバシー重視型:ポストCookie時代の解決策
  5. 業界特化型:BtoB・リテールに最適化
  6. 日本市場向け:国内ユーザーに強いDSP
  7. 業種・目的別おすすめDSP早見表
  8. まとめ:DSPは“組み合わせ”と“目的最適化”で選ぶ時代へ

 

 位置情報に強いDSP:実店舗集客に効果絶大!

 

✅ 主なDSP

  • ScaleOut DSP(Supership)
    KDDIグループの位置情報や購買データなどを活用できる日本国内最大級のモバイル特化DSP。

  • Logicad(ソネットメディア)
    ブランドセーフティ対応と媒体連携に強み。

  • Yahoo!広告(ディスプレイ広告・運用型)
    検索・閲覧・PayPayデータを活用したO2O施策に強い。 

✅ 活用シーン

  • 飲食チェーンがランチ前に近隣のオフィスワーカーへクーポン配信

  • 自動車ディーラーが競合来訪者をリターゲティング

  • 美容室が半径500m圏内のスマホユーザーに来店促進広告

🏆 成功事例(飲食チェーン)

課題: 平日ランチタイムの集客に課題
施策: 位置履歴からオフィス街をターゲティングし、11時台に広告配信
結果: 来店率が2.3倍に向上し、クーポン利用者も増加

 

 動画・リッチメディア特化型:ブランド認知を高めたいなら!

 

✅ 主なDSP

  • The Trade Desk(CTV・DOOH・音声広告対応)

  • Amazon DSP(Prime Video、IMDb等で動画広告可)

✅ 活用シーン

  • 化粧品ブランドがCTVで世界観を表現

  • 飲料メーカーが音楽ストリーミング広告で若年層へ訴求

  • 車メーカーがDOOH(屋外デジタル広告)+SNS動画でクロス展開

🏆 成功事例(飲料ブランド)

課題: 若年層へのテレビ広告効果が限定的
施策: CTV+SNS連動で縦型動画広告を配信
結果: 視聴完了率60%、SNSでの拡散が1.8倍に

 

  AIとデータ活用に特化:パーソナライズの極み

✅ 主なDSP
  • Criteo DSP(EC特化、商品レコメンド)

  • Adobe Advertising Cloud DSP(AI+クリエイティブ自動最適化)

✅ 活用シーン

  • アパレルECが閲覧・購買履歴に応じて商品を動的に表示

  • サブスク型サービスがLTV予測で広告費配分

  • 教育系サービスが資料請求ユーザーへ個別アプローチ

 

🏆 成功事例(アパレルEC)

課題: カゴ落ちが多くCVRが伸びない
施策: 商品レコメンド+AIによる広告自動最適化
結果: CVRが38%改善、リターゲティング再訪率が1.6倍に

 

 プライバシー重視型:ポストCookie時代の解決策

 

✅ 主なDSP

  • LiveRamp Connect(Unified ID、ID連携基盤)

  • The Trade Desk(Unified ID 2.0、認証済みトラフィック対応)

✅ 活用シーン

  • GDPRやCCPA対応が必要な海外配信

  • 金融や医療など機密性の高い業界の広告運用

  • 自社ファーストパーティデータを活用した広告展開

 

🏆 成功事例(金融系サービス)

課題: Cookie廃止によりリターゲティング精度が低下
施策: Unified ID 2.0対応でIDベース広告に切替
結果: CPAが20%改善し、透明性も担保

 

 業界特化型:BtoB・リテールに最適化

✅ 主なDSP

  • ADMATRIX DSP(BtoB特化、IP×業種セグメント対応)

  • リテールメディアDSP(店舗の購買データ連動)

✅ 活用シーン

  • BtoBサービスが業種別・企業規模別にターゲティング

  • 小売業者が顧客の購買履歴に基づいて再アプローチ

  • 展示会来場者をデジタル広告でリマインド配信

 

🏆 成功事例(BtoB IT企業)

課題: オンラインセミナー参加者の質に課題
施策: 業種別ターゲティング+企業IPで精度の高い広告配信
結果: 商談化率が1.5倍、CV数が67%増加

 

 日本市場向け:国内ユーザーに強いDSP

✅ 主なDSP
  • Yahoo!広告(最大級の国内リーチ、PayPay連携)

  • FreakOut(SNS対応、日本語サポート充実)

  • ScaleOut(スマホアプリ特化、位置・行動データ分析に強み)


✅ 活用シーン

  • PayPay連携で店舗販促を強化

  • LINEやX(旧Twitter)広告との連携によるモバイル施策

  • 地域密着型の広告配信において高い効果

 

🏆 成功事例(ドラッグストア)

課題: チラシ依存から脱却し、来店促進をデジタルに移行したい
施策: Yahoo!広告+LINE・X配信で地域密着キャンペーン展開
結果: 売上112%、新規客比率も上昇


業種・目的別おすすめDSP早見表

 DSPの選定は「どんな業種で、何を目的に広告を配信するのか」によって大きく変わります。
以下は主要な業種・ビジネスモデルと目的に応じた、おすすめDSPの早見表です。
 
業種 / ビジネス 目的 おすすめDSP 特長
飲食・小売 来店促進 ScaleOut、Yahoo!広告 位置情報×O2O連携
EC事業者 購買促進 Criteo、Amazon DSP DPA×AI最適化
BtoB企業 リード獲得 ADMATRIX、LiveRamp 法人IP×業種配信
ブランド企業 認知拡大 The Trade Desk CTV/音声/動画対応
全国展開企業 オムニチャネル施策 Adobe DSP、Yahoo!広告 Web×リアル統合分析
金融・医療 プライバシー保護 LiveRamp、The Trade Desk Unified ID、GDPR対応

● 飲食・小売 × 来店促進

おすすめDSP:ScaleOut、Yahoo!広告
来店型ビジネスでは、ユーザーが「今どこにいるか」「過去にどこへ行ったか」という位置情報データが極めて重要です。
ScaleOutはKDDIグループの行動データを活用でき、Yahoo!広告はPayPayと連携してO2O(Online to Offline)施策を強化できます。
クーポンやセールなど、エリア限定の集客施策に非常に効果的です。

● EC事業者 × 購買促進

おすすめDSP:Criteo、Amazon DSP
オンラインショップでは、閲覧履歴や購買履歴をもとにしたパーソナライズ広告が成果を左右します。
Criteoはリターゲティングに特化し、個別商品のレコメンドが可能。Amazon DSPは購買意欲の高いユーザー層に、DPA(Dynamic Product Ads)+AI最適化で効率よく訴求できます。

● BtoB企業 × リード獲得

おすすめDSP:ADMATRIX、LiveRamp
法人向け商材では「業種・企業規模・所在地」などの精密なセグメントが求められます。
ADMATRIXは企業IPアドレスを使って業種別の法人ターゲティングが可能。
LiveRampはファーストパーティデータを活用して、ABM(アカウントベースドマーケティング)戦略にも対応できます。

● ブランド企業 × 認知拡大

おすすめDSP:The Trade Desk
新商品やブランドの世界観を広く届けたい場合は、動画や音声などのリッチメディア広告が有効です。
The Trade DeskはCTV(Connected TV)、音声広告、DOOH(デジタル屋外広告)など、多様なチャネルと連携可能で、高品質な視聴体験を通じたブランド訴求に最適です。

● 全国展開企業 × オムニチャネル施策

おすすめDSP:Adobe DSP、Yahoo!広告
Webとリアル店舗、アプリなどをまたいだ統合的な広告設計(オムニチャネル)が求められる大手企業では、各チャネルの効果を一元的に分析・最適化することが重要です。
Adobe DSPはマーケティング統合基盤との連携に強く、Yahoo!広告は日本国内の行動データとオフライン来店計測が可能。Web×リアルのクロス分析に適しています。

● 金融・医療業界 × プライバシー保護

おすすめDSP:LiveRamp、The Trade Desk
個人情報の扱いが厳格に制限される業界では、Cookie非依存型のID技術や、法規制(GDPR/CCPA)への対応が必須条件となります。
LiveRampはUnified IDをベースとしたデータ連携が可能で、The Trade Deskも認証済みトラフィックやIDベースの配信に対応しており、信頼性の高い配信が可能です。

このように、DSPは「誰に、どこで、何を届けたいか」という広告の目的に応じて、使い分けることが成果のカギとなります。


まとめ|DSPは“組み合わせ”と“目的最適化”で選ぶ時代へ
 

現代のDSP市場は、「一つのプラットフォームですべてを解決」から「目的に応じた最適な組み合わせ」へとパラダイムが変化しています。

店舗ビジネスでは位置情報特化型DSP、Eコマースではリターゲティング特化型、ブランド認知向上では動画特化型DSPなど、事業目的と業界特性に応じた戦略的選択が成功の鍵となります。

また、複数DSPの組み合わせ活用により、それぞれの強みを活かした統合的なデジタル広告戦略の構築が、現代マーケティングにおいて重要な競争優位性を生み出します。プライバシー規制の強化、AI技術の進歩、新しい配信チャネルの登場など、DSP業界は今後も急速に進化し続けるため、継続的な情報収集と戦略見直しが不可欠です。

「DSPを導入すべきか」「自社に合った活用法を知りたい」という方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。貴社の業態・目的に応じた最適なDSP活用方法をご提案いたします。

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