企業や自治体が販促・広報活動に活用する「記念日」。誕生日や創立記念日、祝日、語呂合わせの記念日、地域や企業独自のものまで、記念日はさまざまな形式で存在しています。
実は、記念日を上手に活用することで、新たなプロモーションの切り口や季節の訴求軸が生まれ、マンネリ化しがちな販促企画に"新しい風"を吹き込むことができます。
特に11月は「記念日が最も多い月」として知られており、販促アイデアの宝庫。この記事では、2025年最新版の情報をもとに、11月の記念日活用法を解説していきます。
【出典:一般社団法人 日本記念日協会 】
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記念日にはいくつかの制定パターンがあります。
制定パターン | 具体例 |
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過去の出来事 | 6月10日「時の記念日」 |
語呂合わせ | 2月22日「猫の日(にゃんにゃんにゃん)」 |
数字の形状 | 11月11日「ポッキー&プリッツの日(棒状)」 |
有名記念日への便乗 | 2月14日「ネクタイの日」など |
さらに、日本では語呂合わせ文化が発達しており、日付と意味を結びつけやすいことも、記念日の多さに一役買っています。
記念日の制定には、(一社)日本記念日協会などの第三者団体に登録する方法もありますが、必須ではありません。認定を得ずとも記念日として活用できますが、公的な認定を受けることで信頼性や話題性が増す点は押さえておきたいところです。
※認定記念日の登録費用の目安:1件15万円(2025年現在)
ポイント:中小企業でも「地域特産の日」「創業●周年の日」などの記念日を制定し、地元メディアと連動することで話題化が高まりやすくなります。
日本記念日協会の調査によると、2024年末時点で11月の認定記念日は364件で、全12カ月中ダントツ1位です。
「11」→「いい」と読めるため、「いい〇〇の日」が多発
例:いい歯の日(11/8)、いい夫婦の日(11/22)、いい肉の日(11/29)
秋の収穫期であり、食材の旬が多い時期
食品メーカーや飲食店が季節限定キャンペーンと連動しやすい
ボーナス・クリスマス・年末セール前のウォームアップに最適
記念日を活用した“早期話題化”が、後の売上拡大にも寄与
日付 | 記念日名 |
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11/5 | いいりんごの日 |
11/8 | いい歯の日、いいお肌の日 |
11/22 | いい夫婦の日 |
11/26 | いい風呂の日 |
11/29 | いい肉の日、いい服の日 |
11月11日は、年間で2番目に記念日が多い日(49件)。数字の「1」が棒状に見えることから、形状由来の記念日が集中しています。※1番は55件で、10月です。※範囲選択すると数字が見えます。
・代表的な11月11日の記念日
食品系:ポッキー&プリッツの日、麺の日、チーズの日、鮭の日、もやしの日
その他:チンアナゴの日、箸の日、立ち呑みの日、コピーライターの日、電池の日、サッカーの日
数字の「1」が並ぶ日付で、視覚的インパクトが強い
各業界・メーカーが記念日登録を競っているため多重登録化
中国では11月11日を「独身の日」として大規模なセールが展開され、2024年のEC流通額は約13.5兆円に達しました。日本企業の参画も増えており、越境ECの販促タイミングとして注目されています。
規模 | 中国の「独身の日」=EC最大イベント(2024年は13.5兆円流通) |
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日本企業の動き | 大手アパレル・食品・美容ブランドが越境ECに参入 |
販促のヒント | 11/11に合わせた中国語キャンペーン、現地SNS活用 |
飲食店:記念日限定メニュー、ペアキャンペーン(例:いい夫婦の日)
スーパー:試食販売・POP訴求、詰め合わせ商品展開
EC食品:まとめ買い訴求・送料無料デー設定
コンビニ:スイーツ・ホットフードフェア
日付 | 記念日 |
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11/1 | すしの日、泡盛の日、紅茶の日、本格焼酎の日 |
11/3 | みかんの日、サンドウィッチの日、調味料の日 |
11/7 | 鍋の日、もつ鍋の日 |
11/10 | かりんとうの日 |
11/11 | ピーナッツの日、鮭の日、チーズの日 |
11/15 | のど飴の日、イベリコ豚の日 |
11/23 | 牡蠣の日、外食の日 |
11/24 | 和食の日 |
11/29 | いい肉の日 |
→ プレスリリース+SNS+店頭連動で「話題化」
ストーリー性と感情訴求
「〇〇を大切にしたい」「〇〇を楽しむ1日」といった背景が共感を呼ぶ
SNS活用
ハッシュタグ投稿キャンペーン、ユーザー参加型施策が広がりやすい
複数記念日を組み合わせる
例:「いい夫婦の日」+「鍋の日」で夫婦鍋フェア
他社とのネタかぶり回避:独自要素や地域性を盛り込む
「記念日」だけに頼らず、体験価値やストーリー性で差別化
事例:創業●周年を記念して「〇〇ブランドの日」を制定
地元特産品の旬に合わせ「〇〇祭」開催
「○○味噌の日」→記念日制定と同時に詰め合わせセット発売
Q1. 記念日を使った販促は、どんな業種に向いていますか?
A. 小売・飲食・サービス・EC・自治体など、特にBtoC業種全般に有効です。
Q2. 自社で自由に記念日を作っても問題ないですか?
A. はい、記念日協会への登録は任意。登録なしでもSNSや店頭での展開は可能です。任意登録なら約15万円(日本記念日協会の場合)。登録なしでも展開は自由です。
Q3. SNSではどう活用する?
A. ハッシュタグ訴求、投稿キャンペーン、プレゼント企画などが効果的です。ユーザー参加型のコンテンツが特に有効です。
Q4. 記念日が重複した場合はどうする?
A. 複数の記念日を組み合わせたクロス企画や、自社独自の視点を加えて差別化を図りましょう。
11月は「語呂の11(いい)」を活かした記念日が集中し、食関連・ライフスタイル系販促に最適な月です。年末商戦前に新たな軸を設けるなら、記念日を軸とした施策は非常に効果的。語呂・食・タイミングの三拍子が揃い、SNSをはじめとするマルチチャネル連動施策に適していて、参加型企画とも相性が抜群です。
おすすめアクション
✅ 記念日カレンダーを活用し、月ごとの販促アイデアをブレスト
✅ 自社の「〇周年」や「人気商品の日」を制定・発信
✅ SNS × 店頭 × ECの3点セットで展開しよう
『記念日』を上手に活用しながら、しっかりと消費者に伝わるストーリーを組んで説得力があり、他社との差別化も図れる販促企画を立てることが重要になってきます。記念日がまとまって整理されており、今回、参考にさせて頂いたサイトはコチラになります。既存の記念日をパズルのように組み合わせたり、あなたのビジネスと並べてみたときに関連性を持たせた情報発信で、消費者にとっても新鮮な気持ちで情報を受け取ってもらえるように工夫をしてみてください。
弊社では販促に役立つカレンダーを発行しています。こちらにも月ごとの記念日を載せていますのでダウンロードして活用してみてください。