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Google広告のターゲティング設定完全ガイド|検索・ディスプレイ・動画別に種類と使い方を徹底解説【2025年版】

作成者: 大住 浩章|2025/05/26 0:30:00

— デジタル広告の成否を左右するのは「誰に届けるか」 —

Google広告の強みは、「必要な人に、必要な広告だけを届けられる」というターゲティングの柔軟性です。テレビCMや新聞折込などの一斉配信ではなく、Google広告はユーザーの検索意図・興味関心・行動履歴・属性などに基づいて広告配信を最適化できます。

本記事では、Google広告のターゲティング戦略における基本知識から、検索広告・ディスプレイ広告・動画広告・P-MAX(Performance Max)といったキャンペーンタイプごとの使い分け、効果的な活用例までを詳しく解説します。

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目次
  1. ターゲティングの基本:Google広告の3つの分類
  2. キャンペーン別|設定できるターゲティング一覧
  3. 実践で使える!代表的ターゲティング手法の解説と使い分け
  4. 目的別|ターゲティング構成の組み合わせ事例
  5. よくある失敗と改善策|成功パターンと業種別ヒントも紹介
  6. まとめ

1.ターゲティングの基本:Google広告の3つの分類

Google広告で広告配信の成果を最大化するためには、「どのキャンペーンを選ぶか」だけでなく、

“誰に届けるか”をどう設計するか=ターゲティング戦略が極めて重要です。

Google広告におけるターゲティングは、大きく3つの系統(=軸)に分類できます。

  1. ユーザーが自発的に検索した言葉(キーワード)に反応するタイプ

  2. ユーザーの興味・行動・属性などの特徴から絞り込むタイプ

  3. 自社サイトや顧客情報を活用して、再接触や類似拡張を狙うタイプ

このように、どの切り口でターゲティングを行うかによって、アプローチできるユーザーの種類や広告の出し方が大きく変わります。

✔️ 検索意図に基づく広告配信をしたいなら「キーワードベース」

✔️ 潜在層への認知・興味喚起を狙うなら「オーディエンスベース」

✔️ 離脱者への再訴求や、既存顧客との関係強化を図りたいなら「自社データセグメント」

この3系統の違いを理解し、目的に応じて使い分けることが、Google広告で成果を上げる第一歩です。

① キーワードベース(検索意図に基づくターゲティング)
・主に検索広告で使用され、ユーザーの能動的な検索意図に対して、広告を表示
・マッチタイプ対応:部分一致、フレーズ一致、完全一致で調整可能
・除外キーワード設定:不要な表示や無駄クリックを防止
➡ 最適な用途:購買意欲の高い顕在層への直接訴求


② オーディエンスベース(興味・属性・行動)
・興味・関心(例:アウトドア、料理、ビジネス)
・ライフイベント(例:就職、結婚、引越し)
・購買意向セグメント(例:「中古車を探している」ユーザー)
➡ 最適な用途:潜在層や検討層へのアプローチ・認知拡大


③ データセグメント・自社データベース(旧リマーケティング)
・広告主が保有すファーストパーティーデータを基にしたターゲティング
・旧「リマーケティング」や「カスタマーマッチ」などが統合された機能
・自分のデータセグメントとして統合管理可能
・対象例:
LP訪問者/カート放棄ユーザー/動画視聴者など

➡ 最適な用途:サイト再訪促進、購入未完了層への再アプローチ

2.キャンペーン別|設定できるターゲティング一覧

Google広告では、目的に応じて様々なキャンペーンタイプ(検索広告・ディスプレイ広告・動画広告・P-MAXなど)が用意されています。そして、それぞれのキャンペーンタイプごとに設定可能なターゲティングの種類が異なるのが大きな特徴です。

たとえば、「検索広告」ではキーワードをもとにしたターゲティングが可能ですが、「動画広告」ではオーディエンスベースの設定が中心となり、キーワードは使用できません。また、P-MAXキャンペーンはAIが自動で最適化を行うため、細かいターゲティング設定は制限される一方で、高精度な配信を実現できる利点があります。

◆適切なキャンペーンを選ぶために知っておきたいこと
・誰に届けたいか:検索意図のある人? 興味関心のある人?
・どう届けたいか:検索結果に? YouTubeに? Gmailに?
・どこまで制御したいか:手動で管理? 自動化に任せる?

このような観点で設計を行うためには、各キャンペーンでどのようなターゲティング設定が可能かを把握しておくことが重要です。以下の表は、その違いを一目で確認できる早見表です。

キャンペーン キーワード オーディエンス データセグメント 地域・言語 デバイス
検索広告 ✔ 対応 対応
(RLSA/カスタムなど)
✔ 対応 ✔ 対応 ✔ 対応
ディスプレイ広告
(コンテンツターゲティング)
✔ 対応
(すべてのオーディエンス対応)
✔ 対応 ✔ 対応 ✔ 対応
動画広告
(YouTube)

(キーワード非対応)
✔ 対応 ✔ 対応 ✔ 対応 ✔ 対応
P-MAX
(手動不可)
自動学習
(オーディエンスシグナル使用可)
一部対応
(データシグナル)
自動 自動

※「キーワード」は検索広告で主に利用され、P-MAXや動画広告では設定できません。
※「データセグメント」は過去の接触履歴に基づくリマーケティング。P-MAXでは一部のみ利用可。
※「地域・言語・デバイス」はほとんどのキャンペーンで対応していますが、P-MAXではAIにより最適化されるため、手動制御はできません。

キャンペーンによって「使えるターゲティング」が異なるため、どこまで制御したいのか/自動化したいのかによって使い分けが必要です。

 

3.実践で使える!代表的ターゲティング手法の解説と使い分け

Google広告では、キャンペーンタイプごとに設定できるターゲティングが異なるだけでなく、オーディエンスの分類方法も多岐にわたります。特に「興味・関心」「購買意向」「カスタムセグメント」「自分のデータ(旧リマーケティング)」といった手法は、目的や施策フェーズに応じて柔軟に使い分けることが可能です。

しかし、「どの手法がどんな目的に合っているのか」「それぞれどう活用すればいいのか」がわからないと、せっかくの配信設計も効果が出にくくなってしまいます。

ここでは、特に活用頻度の高い代表的なターゲティング手法をピックアップし、以下の観点で整理しています:
  • どんなユーザーを対象にしているか(セグメントの軸)

  • どんな目的に向いているか(認知・検討・購買など)

  • どんな媒体や広告形式と相性が良いか

マーケティングファネルで言うところの「認知 → 興味・検討 → 行動(CV)」の流れに合わせて、適切なターゲティングを選ぶことで配信効率と成果が大きく変わるため、ぜひ一つひとつの特徴と使い所を押さえておきましょう。

◆Google広告で使える代表的ターゲティングの種類と活用例

1. インタレストカテゴリ(興味関心)
・対象:ユーザーの閲覧履歴や動画視聴履歴などから推定
・例:美容、アウトドア、子育て、金融、B2B業界向け
➡ 認知獲得・ブランド想起向けに最適

2. 購買意向セグメント
・対象:ユーザーの閲覧履歴や動画視聴履歴などから推定
・例:美容、アウトドア、子育て、金融、B2B業界向け
➡ 認知獲得・ブランド想起向けに最適

3. カスタムセグメント/カスタムオーディエンス(旧:カスタムインテント)
検索語句・訪問サイト・アプリ利用歴などをもとに、独自のターゲット層を作成。
例:競合サイトを訪問したユーザー/特定キーワード検索経験者
➡独自のターゲットリストを作成可能。競合対策にも活用可。

4. データセグメント(旧リマーケティング)
・LP閲覧後離脱ユーザーへの再アプローチ
・カート放棄ユーザーへの限定オファー表示
・YouTube動画完視聴者への認知拡大広告
➡ CPCやCPAの改善に有効
 
5. 地域・デバイス・時間帯など
例:東京都内のみ/平日午前中のみ/スマートフォン限定
➡無駄配信の削減と効果最大化に直結
 
 

4.目的別|ターゲティング構成の組み合わせ事例

これまで解説してきたように、Google広告では多様なターゲティング手法を活用して、配信相手を精密に絞り込むことが可能です。しかし、実際の運用現場では「どのターゲティングを、どのキャンペーンで、どのように組み合わせるのが効果的なのか?」という具体像がイメージしづらいこともあります。

そこで本セクションでは、広告の目的(購入促進/認知拡大/再訪促進 など)に応じて、効果的なターゲティング構成を一覧表形式で紹介します。

本セクションの活用ポイント:

  • 「やりたいこと」から逆引きできる:目的に応じた最適な構成例がひと目でわかる

  • 成功事例付きでイメージしやすい:各構成の成果が明示されており、実際の設計に役立つ

  • 複数のキャンペーンを組み合わせた全体設計が学べる:検索広告+P-MAXなど、組み合わせの妙も紹介

ターゲティング設計に迷ったときは、まずこの一覧を参考にし、自社の配信目的に最も近い事例から取り入れてみることをおすすめします。

目的 推奨キャンペーン ターゲティング構成 活用事例
今すぐ購入を促進したい 検索広告+P-MAX キーワード
+データセグメント
地域密着の工務店が「外壁塗装 無料見積もり」検索広告+訪問者へのリターゲティング。CVRが28%向上。
認知・ブランディングを強化したい 動画広告
+ディスプレイ広告
インタレスト
+カスタムセグメント
新規D2Cブランドが「コスメ」「スキンケア」層に訴求。YouTubeとGmail面でタッチポイント拡大。
サイト再訪を促したい ディスプレイ広告 自分のデータ
+類似ユーザー
SaaS企業が無料トライアル離脱者へ再訴求。類似ユーザーへ認知広告を同時配信し、リード数が2.5倍に。
若年層向け商材を訴求したい Demand Gen広告 動画視聴履歴
+モバイル端末
飲食チェーンがショート動画で来店訴求。Z世代の来店クーポン利用が前年比150%増。

※「検索広告」ではオーディエンスセグメントの「観察(Observation)」設定が可能。これにより、入札単価調整や広告文出し分けに活用できる。

検索広告でも「オーディエンスセグメント」の適用が可能です。特に購買意向や自社サイト訪問者などのユーザーを対象にした「RLSA(リマーケティングリスト for Search Ads)」はよく使われます。

また、広告文の一部をオーディエンスに応じて出し分けるIF関数(例:新規ユーザーにはA文言、リピーターにはB文言)は、オーディエンスターゲティングと併用できますが、あくまで表示内容を変えるロジックであり、セグメント設定とは異なる機能です。

 

5.よくある失敗と改善策|成功パターンと業種別ヒントも紹介

Google広告では、ターゲティング精度が成果を大きく左右します。正しく設計できれば少額予算でも効果を発揮しますが、設計を誤るとコストだけが膨らみがちです。ここでは、よくある失敗例とその改善策、成功事例、業種別の施策ヒントをまとめました。
 

よくある失敗と改善策

失敗パターン よくある原因 改善のポイント
ターゲットが広すぎて予算消化だけ進む 興味関心の設定が緩すぎ/除外設定なし まずはペルソナを明確化し、「除外セグメント」を積極的に設定する
ターゲットを絞りすぎて配信が止まる カスタムセグメントや属性で細かく区切りすぎる 1広告グループあたり数千~数万規模のリーチ数を基準に設計する
過去訪問者にしか広告が出ていない リマーケティングのみで完結している 潜在層向けにインタレスト・購買意向セグメントを併用し、新規獲得も並行する
動画広告が再生されてもCVにつながらない 興味関心はマッチしているが、遷移先LPがCV設計されていない 動画の内容とLP導線を一貫させ、CVポイント(予約・購入・資料請求)を明示する
 成功パターンに共通する考え方
  • ファネルに応じてターゲティングを設計している(例:認知→検討→行動)
  • 検索広告と動画/ディスプレイを連携して、複数タッチポイントを設計
  • 自社データのリストを常に更新し、広告の学習と自動最適化を支援
  • ユーザーの声や分析データをもとに定期的にセグメントを見直している

業種別のターゲティング施策ヒント

業種 おすすめターゲティング施策例
不動産/住宅 検討段階ユーザーに
「購買意向セグメント+カスタム(SUUMO/HOME'S訪問者)」で絞り込み
教育・資格 「進学」「スキルアップ」などの
ライフイベント+地域セグメント(オンライン/通学型で調整)
飲食店/小売 モバイル端末+半径5kmの地域ターゲティング+週末配信
(ランチやクーポン需要を狙う)
BtoBサービス 業種別のカスタムセグメント(例:ERP関連サイト訪問者)+自社データで再接触/ホワイトペーパーCV導線を活用

6.まとめ

Google広告で成果を上げるために最も重要なのは、「どんな広告を出すか」ではなく、「誰に届けるか」を戦略的に設計することです。
本記事でご紹介したターゲティングの分類や活用法、目的別の構成例、そして成功・失敗の傾向を理解すれば、配信の精度と費用対効果を大きく高めることができます

特に、ユーザー行動や検索意図に基づく設計、自社データの有効活用、そして自動化と人の設計力の融合が、広告配信において大きな成果をもたらす鍵となります。

自社に最適なターゲティング設計を相談したい方へ貴社の業種や目的に合わせたご提案も可能です。
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